講師の方などから頂いた存続への応援メッセージ

 

なかの生涯学習大学の存続のために
なかの生涯学習大学が存続の危機にあることを耳にして、大変に心を痛めております。人生100年時代を迎え、生涯学習の重要性はますます高まっています。老年学の調査研究によると、加齢に伴う心身機能の低下を防ぐための三大要素である栄養、運動、社会参加(人との交流)のうち、もっとも効果の高いのが社会参加であることが実証されています。高齢者が高い心身機能を維持することは、医療・介護費用の削減につながることは言うまでもありません。なかの生涯学習大学では、単に講義を受けるだけでなく、受講者が地域のために活動できるよう道筋をつけているという点で大変にユニークです。私は、各地において高齢期の生き方に関する講演を行っていますが、その中でしばしば中野区の取り組みを紹介してまいりました。こうした優れた活動が、今後とも継続していくことを心より願っております。
2021101日 袖井孝子(一般社団法人シニア社会学会会長、お茶の水女子大学名誉教授)

 

当方、現在早稲田大学を定年退職し、直接大学での教育に携わっておりませんが、在任中は、15年以上、中野生涯学習大学の講師として「世代間交流のゼミ」などに関わらせていただきました。熱意のある職員の方々の丁寧なサポートにより、受講生と大学生の「合同ゼミ」を中野ZEROを会場にして取り組み、高齢者の方々に早稲田大学にも来ていただいて、楽しく密度の濃い学びができました。また、生涯学習大学の卒業生で、自治会や地域の防災活動や学校・児童館などでボランティアとしてご活躍頂いている方に大学に来ていただき、大学の授業でも、「地域づくりと住民の役割」などのテーマで講師を務めて頂きました。また学生が出向いて話をしたり、時代に先駆けた世代間交流の取り組みが展開出来ました。それらの取り組みを卒業論文にまとめた学生も多数おります。こうした取り組みを通じての、私の感想を一言で集約すれば、中野生涯学習大学とそこで学んで地域で活躍している多くの卒業生の皆さんは、中野区の無形文化財であるということに尽きます。中野区を支え・輝かせていく無形文化財とでも言うべき人材を次々に育ててきた「生涯学習大学」の伝統を放棄することになれば、それは、価値ある文化財を廃棄するに等しい愚策だと思います。存続と発展の道を進めることこそが、中野区の未来を切り拓く方策だと考えています。

 20219 増山均(早稲田大学名誉教授 )

 

自己の学びのみならず、学びを通じて得た仲間と教え合う助け合い。学んだことをそれぞれの地域に持ち帰り、それぞれの活動で活かそうとする地域での助け合いを豊かなものにしようとする方も少なくない。なかには、地域につながりのない、住んでいる地域とは距離を置いて生活してこられた方が、学びの場に出てこられたことをきっかけに地域に関わるようになっていった。そんなお話もうかがいます。オンライン活用に関しては、地域のシニアに普及させていくうえでのインフルエンサーであり、サポーターにもなりえる方々。このような動きが生まれているのは、通学期間の長いこと(仲間づくり、自らの気づきを促す形での動機付け)、シニアに特化している(市民大学のように多様性を良しとする人もいれば、生涯学習大学の様に同質性をよしとする方もいる)ことが挙げられると思います。価値観が多様化するなかで、多様なキッカケ、多様な場作りが求められているなかで、生大は貴重な場だと感じております。

 20219月 澤岡 詩野(ダイヤ高齢社会研究財団主任研究員)

 

人生100年社会では、人生後半において『義務教育』が絶対に必要です。
こんな時に生涯学習を縮小しようとすることはとても考えられません。
生涯学習のますますのご発展を心からお祈り申し上げます
20219月 樋口恵子(NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、東京家政大学名誉教授)